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株式会社 日立ドキュメントソリューションズ株式会社 日立ドキュメントソリューションズ 文書管理支援ソリューション文書管理支援ソリューション

VOL.3

文書の電子化は
どのくらい
進んでいると
思いますか?

みなさんはどのように文書を管理していますか。文書の電子化が進んでいるという声をよく伺いますが、ご自身の企業・組織やお取引先などをご覧になって、どのように思われていますか。私たち日立ドキュメントソリューションズも、みなさんの印象をお伺いしたくて、独自に行ったアンケートにこの質問を設けました。どのような企業・組織が進んでいて、どのような企業・組織が進んでいないのでしょうか。また、その理由はどこにあるのでしょうか。もろもろ読み解いていきます。

※アンケート結果をテーマに社内の有識者と座談会をした内容をコラム化しました。

調査対象:従業員規模500名以上の企業に勤めている方 調査方法:インターネット調査(2023年6月時点/当社調べ/N=500)

電子化は案外進んでいます。

66.2%が文書を電子化し積極活用。
文書電子化の進み具合については、【電子文書のみ扱っている:9.0%】、【電子文書の方が多い:36.6%】となっていて、【電子文書と紙文書の量は同じくらい:20.6%】を加えると、66.2%が電子化を進めていることが分かります。
アンケート結果をもとに業種別に見ると、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、医療・福祉などの半数以上が電子化を進めていて、運輸業・郵便業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、教育・学習支援業などは各業種や業務の性質によりそれほど進んでいないといえる結果でした。この結果は、これまで当社が実際に見聞きしてきたこととほぼ同じです。
「金融業や保険業には証書があり、保存年限も法律で決められているので、紙で保存する必要がある場合もあります。」教育・学習支援業では、あまり電子化は進んでいませんが、最近お声掛けいただくことが増えました。「教育機関からは、学籍簿を電子化したいという話があります。学籍簿は生徒が卒業してからも保存する必要があるため、電子化してキャビネットや倉庫を整理したいとのこと。進路指導や健康診断など、これまで紙ベースで行っていた情報も電子化できませんかという問い合わせもあります。」
アンケート結果
アンケート結果
官公庁でも電子化は進んでいる。
アンケートにはありませんでしたが、官公庁では文書の電子化は進んでいるのかどうか、ご存じですか。当社はこのような話を伺っています。
「最近は紙文書だけというところはほとんどなくなり、紙と電子を併用しているようです。昔からの慣習や紙でやりとりされる文書もまだまだ多くあるため、紙はなかなかゼロにはできませんが、それでも電子で保存するようになっています。かつて、設計図などは紙文書のみ納品していました。しかし、いまは紙文書で納品もしますが、電子記録媒体も一緒に納品しているようです。紙文書も必要であれば用意します、そのようなスタイルがスタンダードになっているそうです。」
ルールを変えるには時間と労力が必要。
従業員規模と電子文書を扱っている割合を見ると、従業員規模500〜1,000人未満で【電子文書のみ扱っている:14.1%】と最も多くなっています。
規模の大きな企業・組織になればなるほど、承認を得る方たちが増えるので、時間も労力もかかります。働き方にあわせて柔軟にルールを変えたいがルールを変えることにも労力がかかるので、そう簡単には変えられないのではないでしょうか。
こうした背景があるにもかかわらず、文書の電子化を進めている企業・組織は多くなっています。
「従業員規模に関わらず、半数以上の方々が何らかのカタチで文書の電子化を進めていることが分かりました。それだけ、文書の電子化が欠かせなくなってきた、ということだと思います。」
アンケート結果

文書管理システムを導入していますか?

“導入している37.2%”をどのように見るか?
文書管理システムの導入状況におけるアンケートでは、【導入している:37.2%】、【導入していない:26.4%】という割合になりました。この数字は当社にとって意外な結果でした。
「文書管理システムを導入しているところがこれほど多いという実感はありませんでした。」
このコラムの『第2回』でも述べていますが、もう一度おさらいさせていただくと…。
文書管理システムとは、企業や組織内の文書を効率的に管理するためのシステムです。電子化された文書をデータベースに保存し、複数人での共有を可能にします。必要な人が必要な文書をすぐに検索・閲覧できるようになるので、業務の効率化につながります。また、重要な文書はセキュリティを確保し、紛失や改ざんが行われないよう防止策を講じられているシステムが多くなっています。
これを踏まえて、当社の見解を述べさせていただくと…。
「文書管理システムとは何かという定義がきちんと理解されていないのかもしれません。文書管理システムと、サーバーやクラウドストレージなどによる電子文書の保存・運用。その違い、線引きが明確に理解されていないように思います。」
 この状況は、【分からない:36.4%】にも表れている、と見ています。
「導入されているかどうか分からない。それが本音かもしれません。違いをよく理解しておらず、何となく使っている、という回答も含まれているかもしれません。お客さまからいろいろなご相談をいただきますが、文書管理システムを導入したい、と明確に言われることはあまり多くありません。文書を電子化したいけど、どうすればよいですか、と言われることがほとんどです。」
アンケート結果
コロナ禍で増えた文書の電子化。
コロナ禍でリモートワークをするために、急速に文書の電子化が加速しました。電子化が進んだ結果、リモートワークが可能になったともいえます。
「ネットワークが進化し、SharePointなどのクラウドサービスが気軽に使えるようになりました。かなりの機能を網羅していて、セキュリティや安全性も高くなっています。しかも、ファイルサーバーを導入することと比較して、素早く簡単に使えるようになります。リモートワークを推進したいので、なるべく早く導入したい。そのためにクラウドサービスを導入したケースがかなり多いと伺っています。」
リモートワークに文書の電子化はなくてはならないものですが、文書管理システムの導入が絶対不可欠というわけではありません。ただし、文書を電子化するだけですべてがうまくいくかというと、そういう訳でもないのです。

なぜ、文書管理が必要なのか。

業務を効率化するルールづくり。
文書管理の本来の目的は、必要な文書をすぐ取り出して活用できるようにすることです。だからこそ、文書管理業務をより効率化するにはルールづくりが重要だと当社は考えています。
「電子化だけが目的なら、文書をスキャンして電子データにして、サーバーやクラウドストレージに保存すれば完了します。それでひとまず運用はできるようになります。」
しかし、本当にそれだけでよいのでしょうか。
「電子文書はここに入れて自由に使ってください。それだけでは電子化はできても、第1回でも取り上げたアンケート結果のとおり、必要な文書を探すのに時間がかかったり、どれが最新なのか分からなくなったり、といった困りごとが生じます。業務の効率化にはつながりません。大切なのは、保存場所をつくることではなく、何をしたいか、どう効率化したいか、などをよく考えて、新しいやり方、仕組みづくりを行うことだと思います。せっかく電子化した文書です。活用することを前提に、承諾を得るためのワークフローをどのように構築するか、アクセス権は誰が誰に付与するか、保存年限、廃棄時期など、さまざまな業務とルールを見定めながら決めていくことが効率化につながると考えます。そこに、当社のサービスでいう『文書管理支援ソリューション』の存在意義があると思っています。」

次回VOL.4「文書管理に求めるもの」について。

  • いかがでしたか。第3回のコラムでは「文書電子化の進み具合」について、当社が感じたことや意見を述べさせていただきました。文書管理システムについては、まだまだ理解が進んでいないのではないか、というのが主たる感想です。次回のテーマは「文書管理に求めるもの」。何を求め、どのように変えたいと考えているのかなどについて見ていきます。
  • VOL.4