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株式会社 日立ドキュメントソリューションズ株式会社 日立ドキュメントソリューションズ 文書管理支援ソリューション文書管理支援ソリューション

コラム❹:運用編

文書管理。ところで、長く効果的に活用するには?

導入後に重要なこと

文書管理の基本を理解し、十分に納得したうえで、いざ導入、そして運用へ。その流れを分かりやすくひもといていくこのシリーズ。最終回となる第4回は「運用」編です。

文書管理のシステム構築はゴールではなく、あくまでも通過点です。

せっかく運用を始めたのに、なぜまだ通過点にすぎないのか…。その理由と、長く効果的に運用していくポイントなどを分かりやすくご紹介させていただきます。

運用開始のタイミング

文書管理の導入を決定してから運用を開始するまで、私たち日立ドキュメントソリューションズが関わってきた事例の多くは、半年から1年くらいかかっています。導入を進める事務局やメンバーの負担を抑えるため、長い期間をかけて、少しずつ進めていくケースもあります。

部分的に運用を始めながら全体のシステム化を進めるか。全体のシステム化が完成してから一気に切り替えるか。進め方はそれぞれです。

運用しながら進めていく場合は、実際の業務で活用しながら使い勝手を確認できます。その都度、改善に着手するので進行は遅くなりますが、精度を徐々に高めることができます。

全体ができあがってから切り替えるのは、オフィスの移転や拠点の集約などをきっかけに新たに文書管理を導入する場合によく見られます。オフィススペースの有効利用や文書活用法に変化が求められることが大きな要因でしょう。新型コロナウイルス感染症禍でテレワークが推進され、これまでのオフィスの形態から変わってきていることもあり、最近はこうした事例が増えてきました。

なぜ運用開始が通過点なのか

ところで、なぜ運用開始はあくまでも通過点なのでしょう。その理由をご説明させていただきます。

私たちは、せっかく文書管理を導入してもうまくいかなくなったケースを、残念ながら何度か目にしてきました。以下のような事態が起きてしまったのです。

  • せっかく運用を開始したのに、また元の状態に戻ってしまった。
  • 新たにルールを決めたのに、実際の業務に即していない状況も出てきた。
  • 新たなルールが浸透せず、個人個人が独自のルールで使い始めた。

そんな事態に陥っては、せっかくの尽力や投資が水の泡になってしまいます。それを抑える最善かつ唯一の方法は何か。それは、定期的なモニタリングです。

これまでご説明してきたとおり、システム化・電子化・ペーパーレス化が目的ではなく、業務の効率化が図れるかどうか。それが重要なポイントです。長く効果的に運用し続けるには、定期的にモニタリングを行い、通常の業務に立ち返りながら、見直しと改善を繰り返す必要があると考えます。

文書管理の一般的なルール

ところで、業務の効率化に役立つ文書管理のルールとは、一般的にどのようなものでしょう。

JIIMA(公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会)は”文書整理術”として以下の基本ルールを紹介しています。

【基本ルール1】組織の記録と属人的な記録の保管場所を分ける。

組織の記録とは、法律で保存義務が課せられている「法定保存文書」、法律では保存義務はないが訴訟時などに説明責任を果たすための「訴訟対応の文書」、「組織内で利用する文書」などです。

【基本ルール2】保存期間を設定する。

各文書には保管期限を設定し、「起算日」と「保存要求根拠」を記録しておくことを推奨しています。

【基本ルール3】定期的に廃棄作業を実施する。

思いついたときに文書を削除するのではなく、保管期限にもとづき、定期的に廃棄作業を実施することが必要です。

このような基本をもとに、企業や活用する部署ごとの実情や展望に合わせて独自のルールを作成し、運用していきます。

運用開始後にやるべきこと

話を元に戻しましょう。

定期的なモニタリングでチェックすべきことは、文書管理の導入に伴い、新しくつくったルールが業務に即しているか。それに尽きます。

ルールは守るべきですが、絶対に変えてはいけないのでしょうか。むしろ、実際の業務にそぐわず、使う人が不便を感じるようであれば、変えることに躊躇(ちゅうちょ)する必要はないと考えます。

システム化・電子化したことで新たな問題が生じることもあります。さらに新たなルールが必要になることも少なくありません。

定期的にモニタリングし、ルールと運用法を見直すことは、長く効果的に運用していくうえで欠かせないポイントです。

どんどん良くしていける

使い込めば使い込むほど、使いやすくできる。それが、私たち日立ドキュメントソリューションズがみなさんと一緒につくりあげる文書管理です。

運用してみないと分からないことは、必ずあるものです。システム化・電子化したことで、業務の進め方が変わってくることもあるでしょう。そのすべてを「業務が効率的に行われるようになったか?」という観点に立ち返り、文書管理のあり方を見直し、どんどん改善・進化させていくべきだと考えています。

いかがですか。この4回のシリーズでご紹介してきたことは、みなさんが文書管理の導入に踏み切る要因になったでしょうか。少しでも検討するきっかけになったのであれば、私たち日立ドキュメントソリューションズとしてもうれしく思います。

〜 SE(システムエンジニア)こぼれ話❹ 〜

実際に運用を始めてみると、新たな課題が見つかることもあります。システム化・電子化したことで、業務の進め方が変わることもあります。それらを定期的にモニタリングし、業務は本当に効率化されたのか、組織としても個人としても使い勝手は良くなっているのか、さまざまな角度から検証していくことが大切だと思います。運用開始はあくまでも通過点です。分析、検証、再構築を繰り返し、業務内容の変化や時代の流れなども取り入れながら、より使いやすい文書管理を一緒につくりあげていきたいと考えています。

出典および参考:公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会「文書情報管理のイロハ」(最終アクセス日:2021年3月12日)