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株式会社 日立ドキュメントソリューションズ株式会社 日立ドキュメントソリューションズ 文書管理支援ソリューション文書管理支援ソリューション

VOL.2

ちなみに、文書は
どのように
保管していますか?

紙文書と電子文書、それぞれどのように保管しているのでしょうか。業種によって違いはあるのでしょうか。私たち日立ドキュメントソリューションズが実際に見聞きしてきた経験も踏まえて、独自に行ったアンケート結果を読み解きます。また、電子文書については、その作成方法や保存状況などにも着目。紙文書と電子文書の併用に関しても考察します。

※アンケート結果をテーマに社内の有識者と座談会をした内容をコラム化しました。

調査対象:従業員規模500名以上の企業に勤めている方 調査方法:インターネット調査(2023年6月時点/当社調べ/N=500)

紙文書の保管場所は?

保管場所によって入っている文書が違う。
紙文書の保管場所は、【執務室内のキャビネットや袖机:76.0%】が最も多く、【企業・組織所有の倉庫:29.8%】、【外部のレンタル倉庫:10.3%】を大きく上回りました。保管場所によって入っている文書の種類に違いがあることが分かります。
「キャビネットに入っているのは共有文書。袖机に入っているのはその人個人が使う文書。企業・組織所有の倉庫やレンタル倉庫に入っているのは、使う頻度は少なくても保管しておかなければいけない共有文書。また紙文書の保管場所については、業種別の特徴があると感じます。例えば金融業、保険業が企業・組織の倉庫に保管している割合が大きいのは、法律で保存年限が決まっている文書が多いからです。一般的には、1年目は袖机やキャビネット、2年目は企業・組織の倉庫、3年目は外部倉庫、そして年限が来たら廃棄するといった運用をしている、と伺ったことがあります。“文書のライフサイクル”にあった保管場所に定期的に移動する移し替え作業が行われている結果だと思います。」
また、保管している文書は、“期限が来たら捨てたい”という思いと“ノウハウとして持っていたい”という思いの2つのパターンがあるそうです。
「業種によって取り扱う文書の種類が異なります。だから文書の管理の仕方にも違う特色があります。例えば製造業は、文書を捨てない傾向にあると感じています。ノウハウだから持っていたい、いつ使うか分からなくても古い製品について問い合わせがある場合もあるので、特に設計図書や製品保証書などは保存期限を過ぎたものがあっても捨てられない。そのような話をよく伺います。一方で、個人情報を取り扱っている金融・保険業では、法律で定められた保存期限を過ぎたらなるべく早く廃棄したいという気持ちが働いているようです。」
アンケート結果

なぜ、紙文書を利用しているのですか?

気になる“捨てられない14.0%”という回答。
紙文書を利用する理由として、【今まで紙で情報を取り扱っていたから:45.8%】、【法律や規則に基づいて文書を保管しなければならないから:36.8%】が上位に来ているのは予想どおりでした。しかし、当社が最も気になったのは、【単に捨てられないから:14.0%】という結果です。
「当社がお会いしたお客さまのお話を踏まえると、“もっと多いのでは”と思いました。いつ誰がつくったのか分からない書類でも、後で“あの書類を見たいのですが、どうなっていますか?”と言われたら困るし、捨ててよいものなのか判断がつかないので、とりあえず取っておく。そのような話をよく伺います。捨てるルールづくり、これも文書管理では大事な要素です。」
アンケート結果

文書管理システムの利用率から見る現実とのギャップ

クラウドサービスって文書管理システムとは違うの?
電子文書の保管場所に関するアンケートは、【社内サーバー:72.2%】が圧倒的に多く、次いで【文書管理システム:24.2%】という結果となりました。当社が驚いたのは、文書管理システムを利用している割合の多さでした。
「率直に言って、これほど多いとは、と思いました。社内サーバーやSharePointなどのクラウドストレージに保存しているという話はよく伺っています。しかし、文書管理システムを導入している企業・組織はそれほど多くないという印象がありました。」
文書管理システムとは、企業や組織内の文書を効率的に管理するためのシステムです。電子化された文書をデータベースに保存し、複数人での共有を可能にします。必要な人が必要な文書をすぐに検索・閲覧できるようになるので、業務の効率化につながります。また、重要な文書はセキュリティを確保し、紛失や改ざんが行われないよう防止策を講じているシステムが多くなっています。
「SharePointなどクラウドサービスの普及により、簡単に電子文書を保存・共有できるようになりました。そのことで従来の文書管理システムとの線引きがあいまいになっているのかもしれません。」
社内サーバーとクラウドストレージ、どちらが良コスパ?
【SharePoint、Box、Google Driveなどのクラウドストレージサービス:15.2%】も、電子文書の保存場所として増えているという印象があります。
「最近は社内サーバーが減ってきて、クラウドストレージを使う企業・組織が増えているようです。社内サーバーはシステム部門などが定期的に管理・メンテナンスする必要があります。一方、SharePointなどのクラウド環境のシステムは、定期的な管理・メンテナンスが最低限で済みます。携わる人の手間などを考えると、クラウドストレージの方がコストパフォーマンスがよい、と言われています。SharePointならパソコンを使い慣れた人たちには使い勝手がよく、セキュリティ面もかなり強固になっていますので、安心感があるのだと思います。」
アンケート結果

電子文書、どのように作成・保存していますか?

文書は業務効率向上につながるカタチで。
電子文書をどのように作成し保存しているかについての回答は、【電子文書で作成し保存:88.4%】、【紙文書をスキャンし電子的に保存する:45.6%】でした。当社にも電子文書で作成・保存することと紙文書をスキャンして保存することを併用する部門もあり、どの企業・組織も同じだという感想を持ちました。
「当社はフリーアドレス制のため、自分のデスクが決まっていないので、紙の書類をしまっておく場所がありません。ちょっとした書類を入れる可搬式ケースをパソコンと一緒に持ち歩いています。現在はほぼ紙の書類は使わないようになってきました。個人の文書もパソコンから共有サーバーやクラウドに保存し、パソコンでメモを取り、他の人と共有する際にはリンクをメールで送っています。ただし、中には電子文書を嫌がる人もいるので、その人には必要に応じてプリントアウトして紙で渡しています。大事なのは、全体の業務効率の向上につながるカタチで文書を渡すことだと思います。」
これも文書管理では必要なことだと当社は思っています。紙文書を電子化するだけがゴールではありません。業務を効率化することができなければ、どれほど素晴らしいシステムだとしても導入する意味がありません。使う人が最も効率がよいと思えるのはどんなカタチなのか。当社の『文書管理支援ソリューション』の根底にあるのは、この考え方です。
アンケート結果
“電子文書のみ54.3%”、思ったより多い。
円グラフにある【電子文書のみ:54.3%】、【両方:34.3%】という割合も、当社の感覚とは違っていました。
「“電子文書のみ”よりも“両方”の方が多い、と思っていました。ひとまず紙で出力しておく、というお客さまを多く見聞きしてきたからです。電子文書で保存していても、同時に紙文書も保存する。あるいは、紙媒体で受け取ったものは、利用頻度は低くても紙で保存しておく。そういった対応をされているお客さまが多いです。」
アンケート結果
文書管理のルールをつくることは、セキュリティ向上につながる。
保管場所に【社用パソコン:19.5%】とあることも当社は気になりました。
「オフィスだけで使用しているパソコンなら大きなトラブルにつながる可能性は低いでしょうが、リモートワークなどで使用するために持ち帰っているパソコンだとしたら…。おそらくセキュリティに関するルールは決まっているはずですが、もしそうでないとしたら…と心配になりました。また、セキュリティ以外にも問題があります。業務上必要な情報が個人しかアクセスできない状況では、他の人との共有が困難となり、多様な働き方を目指す上でも大きな障害になると考えます。」

次回VOL.3「文書電子化の進み具合」について。

  • いかがでしたか。第2回のコラムでは「文書の保管方法」についてのアンケート結果を見ながら、当社が感じたことや意見を交えて、紙文書でも電子文書でも使う人が効率よく業務を行えるよう保存することが大事であると述べさせていただきました。次回は「文書電子化の進み具合」についてです。みなさんはどのように感じているのか、当社の感覚はどうなのか、見ていきたいと思います。
  • VOL.3