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株式会社 日立ドキュメントソリューションズ株式会社 日立ドキュメントソリューションズ 文書管理支援ソリューション文書管理支援ソリューション

VOL.5

文書管理を
成功させる秘訣、
ご存じですか?

これまで、私たち日立ドキュメントソリューションズが独自に行った文書管理に関するアンケートをもとに、当社が見てきたこと、感じていることをお伝えしてきました。コラムの最終回となる今回のテーマは、「文書管理成功の秘訣」について。みなさんのお役に立つ内容が含まれていると思います。これまでのコラムでお伝えしてきたことも思い出しながら、ご覧ください。

※アンケート結果をテーマに社内の有識者と座談会をした内容をコラム化しました。

調査対象:従業員規模500名以上の企業に勤めている方 調査方法:インターネット調査(2023年6月時点/当社調べ/N=500)

規則・ルールづくりの重要性。

“規則がある”は約6割。
文書管理に関する規則の有無については、【規則はあり、そのとおりに管理されている:47.4%】【規則はあるが、そのとおりには管理されていない:15.6%】というアンケート結果でした。規則があると回答された方は、あわせて63.0%でした。当社はこの結果をこのように分析しています。
「文書管理には、規則やルールが必要です。まず、企業・組織の規則を定めた上で、各部門の業務に適したルールに落とし込む。そのようなイメージですが、企業・組織の規則はあっても、部門ごとのルールがない。あるいは、運用方法やルールを決めずに電子化しただけ。そのようなケースが少なくないのでは、と思いました。文書管理責任者の60.5%が“規則どおり管理されている”と回答しているのに対し、携わっていない人の45.3%が“規則がない”“分からない”と回答していることからも、こうした背景が推察されます。」
【規則はあるが、そのとおりには管理されていない:15.6%】という結果については、社員の意識の問題というよりも、次のような実態があるのではないかと思っています。
「規則が実務の現状にあっていない可能性もあるのではないでしょうか。そのルールどおりに行うと業務が回らなくなるケースです。現場の進化にそれぞれの管理部門が追いついていないケースもあります。例えば、建設業や製造業などでは、現場にどんどん電子端末が導入され、業務の電子化が進んでいるのに、それをどう管理するか決められていない、という話もよく伺っています。」
アンケート結果

ワークフローシステムを導入しているかどうか?

ワークフローシステムにもルールが不可欠。
ワークフローシステムの導入有無については、全体で【導入している:48.8%】、文書管理責任者では【導入している:77.3%】という回答がありました。当社が気になったのは導入の有無はもちろんですが、業務にあったルールづくりを行っているかどうか、ということです。
「さまざまな関係者に承認印を押してもらい社内を回る、いわゆる“スタンプラリー”の仕組み。ワークフローシステムはこの承認作業を標準化するものですから、この書類はこちらのルート、その書類はそちらのルート、と書類の流れ・筋道を明確にする必要があります。最近では安価に導入できるパッケージツールもありますが、それを利用する場合には、運用ルールや書類ごとの承認ルートなどを自分たちで設定しなければなりません。部門ごとにルールやルートが異なる場合もあるでしょうから、のちのちトラブルが起きないよう、専門の会社などに相談・依頼することも1つの選択肢です。当社も文書管理においてルールづくりの実績やノウハウがありますので、お手伝いすることができます。」
アンケート結果

ルールの周知徹底は不可欠。

“まあ周知されている47.9%”の“まあ”とは?
規則があると回答した人に、規則の周知程度について回答していただくと、【周知されている:31.1%】、【まあ周知されている:47.9%】という結果が出ました。あわせて約8割が周知されていると回答していますが、当社は、このままでよいのですか、と少し疑問に思っています。
「なぜなら、“まあ周知されている”という回答には、“ちゃんと周知されていますかと聞かれると自信がない”という気持ちが含まれているように思えるからです。捨ててしまった、破棄してしまった、探せない。それらはルールが周知されていないことで起きることの多いトラブルです。文書管理における目的は、ルールに則った運用によって業務を効率化し、働きやすくすることだと考えます。そのため、“まあ周知されている”では十分ではなく、管理者はルールをきちんと説明し、使用する人も内容を理解した上でルールを守っていただくことが不可欠だと思います。」
アンケート結果

おわりに。

2023年6月、当社が独自に行ったアンケートをもとに、当社が感じたことや意見を紹介してきたこのコラム。文書管理での困りごと、保管方法、電子化の進み具合、文書管理に求めるもの、成功の秘訣など、テーマを絞りながら、アンケート結果を読み解いてきましたが、5回のシリーズも今回が最終回となりました。
文書管理において、紙文書をただ電子化することがゴールではないこと。運用にあたっては、部門に適したルールづくりを行った上で、周知徹底が不可欠なこと。大事なのは、それによって業務を効率化し、働きやすくすること。何のための文書管理なのかを考えること。それが、お分かりいただけたかと思います。当社が『文書管理支援ソリューション』をご提案する際にも、これらの必要性をお伝えしながら、作業や手順を可視化することから始めています。そして、現状の作業内容を共通認識するためにみなさんからヒアリングを行い、業務や文書の流れを“絵に描いて”、現場の作業内容と異なっていないか、一緒に確認するように心掛けています。どの部署のどのような立場の方が文書を作成し、そして、どのように利活用され、最終的にどこに誰が保存するのか。それは画一的に行えることではなく、お客さまごと、業種業態ごと、個々の業務ごとに異なるので、簡単なことではありませんし、当社だけで描けるものでもありません。
このコラムをお読みいただいたみなさん、いかがでしたか。当社と一緒に“今よりも働きやすい文書管理の仕組み”をつくってみたいと思っていただけたら嬉しいです。少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひともお声掛けください。文書管理について些細な質問もお気軽にお寄せください。ここまで、5回にわたるコラムにおつきあいいただき、ありがとうございました。

後記「よくある話」

承認印をもらい次の人に回す、社内の紙書類のスタンプラリー。規則がありながらも「順番に回さなくてもよい」などという独自のルール、みなさんの企業・組織にもありませんか。
ワークフローシステムで書類に応じた承諾者を設定しておけば、書類はスムーズに回ります。しかし見方を変えれば、「承認を依頼された人がワークフローシステムにログインして確認・承認しなければ、次に回らなくなる」わけですので、「まだ承認してもらえないのですか、と何度も電話がかかってくる」という事態が起きたりするのですが…。 笑えるようで笑えない、身につまされる話でした。