B工事・C工事の特徴を知り、トラブルを未然に防ごう!
賃貸ビルを借用してオフィスを構築する場合、引き渡し時の状態からどのように内装を整えていくかが工事のポイントになります。
ビルにおける工事には「A工事」「B工事」「C工事」という区分があり、ビル個別にその範囲が異なるため注意が必要になります。
A工事はビルオーナーが行う共用部や建物の基本構造に関わる工事のため、借主(テナント企業)には直接関係するケースは少ないです。
今回は、借主(テナント企業)がオフィスを使う上で関わることの多いB工事・C工事に焦点を当て、それぞれの特徴や注意点を解説します!
B工事やC工事などの工事区分は主に以下のような考え方で分類されます。
この考え方には、それぞれ誰が工事を行うのか、どこまでの範囲を担当するのか、費用を誰が負担するのかなど変動要素があり、実際にビルごとに基準が異なります。
そのため、オフィスの入居や移転、改装を検討する際、これらの区分や範囲は事前にビルオーナーや管理会社などに必ず確認すべき重要な情報になります。
一般的にはビルオーナーと賃貸契約を結ぶ際に発行される「賃貸契約書」や「貸方基準書」などに記載されているため内容を確認すればよいのですが、内容が判断できない場合や、これらのドキュメントが存在しない場合、関係者間で確認・調整のうえ工事に臨む必要があります。
一例として以下のように分類されます。

完成したオフィスでもB工事とC工事は混在しています
| 工事区分 | B工事 | C工事 |
|---|---|---|
| 場所 | 天井内部や床下、壁内部の建物の基本インフラや共通設備に関連する部分 | 借用フロアで、退去時に原状回復できる部分 |
| 主な工事範囲 | 基本インフラ部分 (防災、空調、電気、照明、給排水などの各設備) |
建具、床のタイルカーペット張り替え、回線やLANなどの通信配線工事、原状回復可能な間仕切り工事など |
| 工事業者 | ビルオーナーの指定する工事業者のみ | 借主(テナント企業)が選んだ工事業者 |
| 費用負担 | いずれも借主(テナント企業)負担 | |
| 工事後の所有権 | 借主(テナント企業に帰属) (工事内容により、退去時の原状回復を要求される場合あり) |
借主(テナント企業に帰属) (退去時は全て原状回復が原則) |
工事区分が不明瞭の場合は、必ずビルオーナーに確認するようにしましょう。
B工事
C工事
B工事
C工事
C工事と誤解して、自社で手配した業者で工事を実施。後日ビル管理会社から無許可工事として是正要求が……。
B工事の場合ビルオーナー指定の業者以外による施工は契約違反にあたります。工事をする前に賃貸契約書で工事区分を確認しましょう。区分があいまいな場合には、事前にビルオーナーや管理会社へ確認し、文書化しておきましょう。
退去時にB工事で設置した設備の撤去を忘れ、後日ビルオーナーから原状回復工事費用の請求が発生……。
B工事実施の際には、必ず原状回復工事の要否を確認しておきましょう。原状回復対象の一覧を作成し管理しておくことで、退去時に漏れがなく対応できます。
工事区分ごとに発注者、発注先の業者が異なるため両者の工事スケジュールが合わず工期が遅延……。
工事開始前にB工事・C工事の工程表を作成し、管理会社や業者と共有しておきましょう。責任の所在があいまいにならないよう、工事区分ごとの責任者を明確にしておくことも大切です。
実際の工事に不安があれば、経験と実績の豊富な当社が丸ごとサポートいたします!
※B工事:建物に関わる工事でビル管理側が指定する工事業者が実施する工事。部屋の仕切り、電気容量の変更など。退去時に持ち出せず、原状回復で資産除去損処理が必要。
※C工事:建物の入居者が工事業者を選定できる工事。LAN・電話の配線、照明の交換など。退去時に持ち出し可能。
当社では、B工事・C工事が発生するオフィスの移転やリニューアルの際に、当社の専門サポートチームがお客さまに代わってご支援します。まずはお気軽にご相談ください。