文書管理。では、どのように進めていくの?
ここまで、文書管理を理解し、導入を決定するまでの流れやポイントを分かりやすく紹介してきました。第3回は、いよいよ運用に向けて動き出す「着手」編です。
どんなことが欠かせなくて、どんなところに大事なポイントがあるのか。私たち日立ドキュメントソリューションズの長年にわたり培ってきたノウハウをもとに、分かりやすくご紹介させていただきます。
第1回「理解」編でも取り上げたように、みなさんは文書管理に関してさまざまな悩みがあると思います。ひとくちに「探している文書がすぐに見つからない」といっても、その原因は企業によっても異なりますし、業務を行う部署によっても違います。
実際に業務を行う方々が使いやすいシステムにするには、現状をつぶさに分析することが大切です。まずは、現状の悩みや問題点を洗い出すこと。そこから文書管理導入への第一歩が始まります。
現状を分析し、課題を洗い出したら、ゴールを明確にします。
その際に気をつけなければならないのは、システム化・電子化やペーパーレス化そのものを目的にしないことです。これはあくまでも手段です。現状を踏まえて、どのように文書を管理すれば、スムーズに業務が行えるのか、業務の効率化を図れるのか、それを実現するにはどんなシステムが必要なのか、などを考えていきます。そして、企業や各部署の実情や展望に合ったルールをつくっていきます。
現状を知り、ゴールを明確にすれば、文書管理のシステム化は万事うまくいくのでしょうか。答えは必ずしもイエスではありません。デメリットがあることも頭に入れておく必要があります。
デメリットと思われることは大きく二つあります。
一つは、”コストがかかる”ことです。文書を保管・保存するスペースのコストを削減する以上に、ハードウェアやソフトウェアの導入費用がかかる可能性があります。
もう一つは、”一部は紙文書での保管・保存も必要”なことです。法定保存文書などは電子保存の要件を満たすことが難しく、紙の方が圧倒的に業務効率が良いこともあり、どうしても紙文書は残ります。その保管場所も必要となるので、二重の管理が求められます。
それ以外にも、”業務を進めるうえで紙文書の方が効率的”だといえる場合もあるでしょう。文書管理の目的、最終的なゴールは、業務を効率化することですから、それをあえてシステム化するのは本末転倒といえます。
さて、いよいよ文書管理のシステム化を進めていくわけですが、それには推進体制を整えることが重要です。お客さま側と私たち日立ドキュメントソリューションズ側、双方のメンバーを選び、体制をつくっていくわけですが、ここでは、お客さま側の体制についてご説明させていただきます。
メンバーに欠かせないのは、まず実際に業務を行う部署の社員です。営業部、技術部、企画部、総務部、情報システム部など導入を考えている各部署から最低1名は選出してもらいたいと考えています。実情に沿ったシステム化、業務の効率化につながる改革を行うためには不可欠だからです。
その際、忘れてはいけないのは、各部署内外の協力です。メンバーは通常の業務を行いながら、文書管理のシステム化に取り組んでいきます。時には本来の業務に支障をきたすことがあるかもしれません。そんなとき、上長、同僚を含む、みなさんのご理解は欠かせないのです。
そういったことを考えると、経営陣にこのプロジェクトのリーダーを担ってもらうことが成功の鍵だといえるのではないでしょうか。
また、私たち日立ドキュメントソリューションズとのやり取りを行い、各部署のメンバーを統括する”プロジェクト事務局”を設けていただきます。事務局のメンバーとして専任者を1〜2名置いていただけると、コミュニケーションがスムーズになります。
文書管理を実際に運用するまでの流れは、おおまかにいうと以下のようになります。
文書管理のシステム化に向けた手順の概要をご説明させていただきました。みなさんに再確認いただけましたでしょうか。
最終回となる第4回では、実際に運用が始まってから重要なこと、忘れてはいけないことなどをご紹介していきます。ご期待ください。
文書を100%電子化することがベストだと思っている方も少なくありません。もちろん、その方が良いケースもあります。しかし、それで本当に業務の効率化が図れるのか。私たちはいったん立ち止まって考えるようアドバイスしています。システム化に着手する初期の段階では”紙を一切使わない”と決めつけずにスタートした方が良いでしょう。紙文書の方が使い勝手の良い業務は、あえて電子化しなくても良いと思っています。
出典および参考:公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会「文書情報管理のイロハ」(最終アクセス日:2021年3月12日)
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