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株式会社 日立ドキュメントソリューションズ株式会社 日立ドキュメントソリューションズ 文書管理支援ソリューション文書管理支援ソリューション

VOL.1

紙文書や電子文書で、
困っていることは
ありませんか?

紙、電子にかかわらず、文書管理は業務上欠かせないものですが、みなさんは普段、どのようなことに困っているのでしょうか、なぜ困っているのでしょうか――。私たち日立ドキュメントソリューションズが独自に行ったアンケートをもとに、その結果を見ながら、当社が感じたことや意見をお伝えします。

※アンケート結果をテーマに社内の有識者と座談会をした内容をコラム化しました。

調査対象:従業員規模500名以上の企業に勤めている方 調査方法:インターネット調査(2023年6月時点/当社調べ/N=500)

紙文書で困っていること。

意外と困っていない?
紙文書管理の困りごとで最も多かったのは【探すのに時間がかかる:32.3%】。次いで、【捨てたいが判断できない:26.0%】、【倉庫やキャビネットに文書があふれていて手が付けられない:24.8%】でした。
日頃、お客さまから文書管理の話を伺っている当社は、【困っていることはない:27.8%】に注目しました。お客さまの話では「役職が上の方ほど困っていないとのこと。“あれ、どうなっていますか?見せてください”と部下に言うと、その文書を部下が用意してくれるから。探すのが大変だと感じているのは、部下の方が多いようです。役職や階層によって、困っている・困っていないという感覚は大きく違っていると感じます。」
この印象は、アンケート結果でも浮き彫りになっています。文書管理責任者ではないが文書管理業務に関わっている人が困っているのは、【探すのに時間がかかる:41.4%】、【不要な文書を捨てたいが判断ができない:31.0%】。文書管理責任者の【前出:23.8%】、【後出:19.0%】と比べると、明らかに高くなっています。
電子化や文書管理システムの利点は分かるが...。
一方、文書管理責任者の困りごとで最も多かったのは、【電子化して紙を整理したいが時間がない:57.1%】でした。この結果を当社はこう見ています。
「文書の電子化、文書管理システムを導入すれば、業務効率が上がるという期待はあるようです。しかし、紙文書をスキャンするなどの電子化を進めても、それ以上のことをするには、時間も手間もかかるし、費用がかかることも分かっています。それで、躊躇しているのではないでしょうか。何らかのきっかけがあれば、と思っているケースは案外多いかもしれません。」
アンケート結果

電子文書で困っていること。

電子化ゆえの弊害が生じている。
電子文書管理の困りごとで最も多かったのは、【探すのに時間がかかる:30.6%】。電子化したことで、探す時間が短縮されると思っていたはずが、くしくも紙文書管理の困りごとと同じ結果になりました。次いで、【フォルダー体系やファイル名の命名規則がなく管理が曖昧:23.0%】でした。
コロナ禍でリモートワークが進み、文書の電子化も進んだと思われますが、それでも探すのに時間がかかるという悩みはあるようです。「電子化は進んでいますが、運用ルールを決めないで進めてしまうと、困りごとは絶えないと思います。例えば、電子文書だとファイル名も保存場所も自由に設定できます。一人ひとりが勝手に行う、いわゆる属人化が進み、フォルダーの階層の作り方やファイル名の付け方などに規則性がなくなり、その結果、探し出すのに時間がかかってしまいます。アンケートでは13.8%の方が困りごとに属人化をあげていますが、もしかすると、原因が属人化にあるとは思わず、ただ単に探すのが大変だと感じている人も少なくないでしょうから、もっと大きな割合になっているかもしれません。」
ルールを決めないまま電子化すると、このような事態になることもあります。「フォルダーの階層が、どんどん深く、細分化されてしまい、ファイル名も長くなる傾向にあります。同じようなファイルが何個もあり、どれが最新版か分からない状況に陥りがちです。」
アンケート結果
紙で起きていることが電子でも。
【保管場所の容量が不足している:21.9%】というアンケート結果。これは、紙文書でも電子文書でも起こる困りごとです。「キャビネットは紙文書があふれてきたことが目に見えますが、電子文書は分かりにくいです。整理するのは簡単ではありませんので、そのまま入れ続けてしまいます。消してしまった電子文書を、後で復活させることも大変なので、そのまま保存しておくことが多いと伺っています。サーバーが容量不足になるのは、こうしたことが原因のひとつ。紙文書も捨てられずに保管していたのと同じことが、電子文書でも起きています。」
みなさんはこのようなことに身に覚えがありませんか。「たいていどの企業にも組織にも“文書管理規則”というものがあると思いますが、そこには原本は紙(あるいは電子データ)とするなど、詳細が記載されていないことがほとんどで、ただ単に、例えば“10年保存”とだけ記載してあります。これでは、紙で10年保存なのか、電子データで10年保存なのか、紙をスキャンしたものでもよいのか、10年を超えてもノウハウとしてなら保存しておいてよいのか、分かりません。今後は電子帳簿保存法のルール順守も重要になりますし、“原本をどうするか問題”は紙文書でも電子文書でも、避けては通れないと思います。」
文書をただ電子化するだけで良いの?
リモートワークが週3回以上よりも、週1回未満の方が、【文書を探すのに時間がかかる】割合が高くなるというアンケート結果を、当社はこう見ています。「電子化されていないとリモートワークは難しい。電子文書がきちんと管理されていればリモートワークで対応できる。言いかえれば、文書探しに困らないから、リモートワークが多くても業務に影響が少ない、ということだと思います。」しかし、ただ単に電子化を進めるだけでよいのでしょうか、と当社は問いかけます。
「コロナ禍を機にリモートワークが増え、文書の電子化も進みました。ところがアンケート結果でも分かるように、電子化しても文書を探す際の困りごとは存在します。ルールを決めないまま、ただ単に電子化を進めても、困りごとはなくなりません。文書の電子化によって業務の効率化を図りたいとお考えなら、きめ細やかなコンサルティングからスタートし、運用後の浸透度合いの確認や見直し・改善まで、一貫して行うことをお薦めします。」

在宅勤務で困っていること。

“紙に押印”は減っているが...。
在宅勤務の困りごとで最も多いのは、【紙に押印しなければならない業務がある:31.6%】でした。減ってきたとはいえ、なかなかなくならない業務のひとつといえます。
「紙に押印して次に回す、いわゆる“スタンプラリー”。企業・組織の規模が大きくなればなるほど、承認を得る方たちが増えるので時間も労力もかかります。働き方にあわせて柔軟にルールを変えたいところでしょうが、ルールを変えることにも労力がかかるので、そう簡単には変えられないのだと思います。」
“特にない”のか、“それが自分たちのやり方”なのか。
在宅勤務での困りごとに関して、ひときわ当社の目に留まったのは【特になし:46.6%】です。お客さまからこのような声をよく伺います。「文書管理業務に携わっていない人の57.8%が、“特にない”。気になっていない人は、まったく気になっていないようです。現状で業務が回っているから、これが自分たちのやり方だから、と思っている人が多いようです。」
アンケート結果

次回VOL.2「文書の保管方法」について。

  • いかがでしたか。第1回のコラムでは「紙文書、電子文書の困りごと」について、アンケート結果を当社なりに読み解いてみました。紙・電子に関わらず、困りごとをなくすにはルールづくり、そのためのコンサルティングが欠かせないことがお分かりいただけたと思います。次回は「文書の保管方法」について。紙文書、電子文書がどのように作成・保存されているかに迫ります。
  • VOL.2