株式会社日立製作所 九州支社様


前編
オフィスを移転する
2年後までに
社内文書の
約80%を削減する。
- 会社概要
- 日立はデジタルと現場の知見を融合し、社会課題の解決に取り組んでいます。
九州支社は日立製作所の九州地域を営業拠点とし、エネルギー、モビリティ、インダストリーなど幅広い分野で活動しています。 - 従業員数
- 約120名(2025年3月末時点)
株式会社日立製作所 九州支社様
前編
日立製作所 九州支社
九州総務部 主任出田 貴美
日立製作所 九州支社
九州総務部豊島 真理子
日立製作所 九州支社
九州総務部大滝 哲志
日立ドキュメントソリューションズ
主任技師櫻井 由佳理
(敬称略)
出田日立製作所 九州支社が30年間、事業を営んできた日立九州ビルから「ONE FUKUOKA BLDG.」へ2025年5月に引っ越すことが決まりました。日立九州ビルは自社ビルであり、30年という歴史の中で積み上げてきた膨大な文書が、ビルのいたるところに保管されていました。新しいオフィスは、1フロア1,400坪の賃貸スペースにグループ会社を含めたすべての部署が入居します。フリーアドレスに移行するためキャビネットスペースに限りがあり、文書の整理が引っ越しのカギを握っていることは明らかでした。短期間で文書を整理するのは難しいため、引っ越しの2年前から時間をかけて、文書整理プロジェクトに取り組むことにしました。
今回のプロジェクトより前に熊本にある九州中央支店の事務所移転も行ったこともあり、今回その経験を生かすことにしました。
出田九州中央支店は小規模ながら文書の保管量が多く、文書整理の必要性を強く感じました。日立ドキュメントソリューションズには文書の仕分け方法を提案してもらい、自分たちで整理までを行うことができました。また、ペーパーレスへの取り組みが進んでいませんでしたが、Microsoft365やSharePoint(※)などのITツールが整備されたことにより、同支店のメンバー独自で業務改善を進められ、九州支社の移転に向けた知見を得られました。
九州支社が入居する福岡・天神の大型複合ビル
「ONE FUKUOKA BLDG.」
豊島机の引き出しやキャビネットの中など固定席の周辺だけでなく、自社ビルだったこともあり保管場所が潤沢で、結果的に文書が廃棄されずに蓄積されていました。地下に可動式のキャビネットを設置している保管庫があるのですが、日立の長い歴史の中で事業の再編などがあり、“業務としては移管したものの文書はそのまま”というケースもあり、どの部署の所有物か分からない文書も多く存在しました。本当に移転までに整理できるのか、途方に暮れていました。
旧社屋の地下保管庫
出田同じビルに事務所が入っていたこともあり、複合機などの他業務でも日頃からお付き合いがありました。文書を整理し、ペーパーレス化していくとなると日立のルールやシステムを理解している点が心強く、文書削減を支援した実績もあり、相談しやすかったのが決め手でした。
豊島私たちは移転の準備と同時に通常業務もあり、手が回らない状況が予想されました。2年後に移転の期日が決まっているプロジェクトなので、長期的なスケジュールを立てて、進捗を管理していただくなどの支援を期待しました。プロジェクトが進行すると職場からの質問にも総務の立場で答えていただいたりするなど、私たちの手が回らないところを代わりに対応していただきました。
櫻井営業経由で引き合いをいただき、2023年8月からプロジェクトを開始しました。ご多忙な事務局の皆さまをバックアップできる体制を構築して、1年2ケ月にわたりプロジェクトを推進していきました。ワーキンググループは各部署から2〜4名ずつ選出して最大で34名の体制となりました。ワーキングメンバーは、部署ごとの文書量に応じて構成し、取りまとめを行う管理職と仕分けを行う実務担当者を選定いただきました。選定にあたっては、総務から九州支社の社内にメッセージを発信し、各部署に選出していただきました。プロジェクトは1年2か月という長期にわたるため、メンバーを入れ替えながら対応していただきました。皆さまへのメッセージがあるときは全員が集まる説明会を開催し、普段の定例は週に一度、我々と事務局の皆さまで進捗と課題を確認しました。
櫻井まず、現状調査から行いました。各フロアのキャビネットを拝見させていただき、文書の分類とそれぞれの量を測っていきました。すると、5cmファイル約27,000冊分、約1,300mもの共有文書があり、これは福岡タワー約6本分の高さに相当します。これだけの文書を保管しているお客さまは目にしたことがなく、量の多さに圧倒されました。新オフィスの文書保管スペースを鑑みると、廃棄前の保有量から83%削減することが目標数値となりました。通常業務をこなしながら、約8割の文書を整理していくのは、かなり大変なのではと思いました。
大滝私は途中から九州支社に赴任し、プロジェクトに携わりました。それぞれの部署が自分たちで責任をもって文書を整理する必要がありますが、営業部門などの忙しい職場にきちんと取り組んでもらえるのかが不安でした。
櫻井文書の大仕分けを実施し、容易に判断できる文書を廃棄するフェーズ1「文書の廃棄」と、文書削減実行の施策を検討するフェーズ2「紙を増やさない施策の検討」、文書の仕分けを実施し、廃棄・電子化・別地保管を実行するフェーズ3「文書削減の実行」の3つの段階に分けて支援していきました。
フェーズ1
文書の廃棄
約2か月
フェーズ2
紙を増やさない施策の検討
約6か月
フェーズ3
文書削減の実行
約6か月
櫻井廃棄・電子化・別地保管・執務室の仕分けシールを用意して、文書にシールを貼っていただきました。地下の保管庫は文書でいっぱいだっため、空きフロアを仕分け場所、廃棄場所に設定し、作業を進行。廃棄の際には文書の背表紙の厚みを測り、進捗管理シートに記録していただきました。
既存文書 |
必要 |
不要 |
法律や利用頻度別 に仕分け |
不要 |
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櫻井仕分けのガイドライン、廃棄のガイドライン、各種ガイドラインを九州支社様向けに作成して、社員の皆さまに向けた説明会も開催しました。ただ部署の業務によって仕事のスタイルも文書の性質も異なりますから、最終的には各職場で判断していただく形としました。中にはほとんど文書を持たない部署も出てきました。
※Microsoft365、SharePoint、Excelは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
後編 「長期プロジェクト特有の難しさを、チームで乗り越えた。」に続く
近日公開予定
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