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株式会社 日立ドキュメントソリューションズ株式会社 日立ドキュメントソリューションズ 文書管理支援ソリューション文書管理支援ソリューション

株式会社日立製作所 九州支社様

前編

オフィスを移転する
2年後までに
社内文書の
約80%を削減する。

会社概要
日立はデジタルと現場の知見を融合し、社会課題の解決に取り組んでいます。
九州支社は日立製作所の九州地域を営業拠点とし、エネルギー、モビリティ、インダストリーなど幅広い分野で活動しています。
従業員数
約120名(2025年3月末時点)

INTERVIEW

日立製作所 九州支社

九州総務部 主任出田 貴美

総務業務全般の取りまとめを行う。移転に際しては、プロジェクトマネージャーとして文書削減も含めたオフィス移転全体の取りまとめを行った。

日立製作所 九州支社

九州総務部豊島 真理子

文書・庶務係の業務を担当。移転に際しては、主に文書削減の実務を担当。文書の運搬や収納、保管方法なども検討した。

日立製作所 九州支社

九州総務部大滝 哲志

人事勤労や採用関係の業務を担当。移転に際しては、文書整理プロジェクトや、新ビルでの働き方の整備を担当。従業員向けの説明会も実施した。

日立ドキュメントソリューションズ

主任技師櫻井 由佳理

文書管理コンサルティングを担当。今回のプロジェクトの取りまとめを行い、現地の事務所を訪問しながら、文書削減を支援した。

POINTこの記事について

  • 自社ビルからのオフィス移転に伴い、文書の約80%削減を目標に2年前からプロジェクトを開始
  • 文書の量は5cmファイル約27,000冊(福岡タワー約6本分)にもおよび、整理は困難を極めた
  • プロジェクトは3フェーズで実施され、法定保存年限を基に文書を廃棄・電子化・保管に仕分けを実行
  • 全社横断の体制で進捗を可視化し、最終的には目標を上回る90%相当の文書削減に成功

(敬称略)

30年間の歴史を積み重ねてきた自社ビルから移転。
引っ越しにあたっては、膨大な文書の整理がカギに。

今回、社内文書の整理・削減に取り組もうと思われたのはなぜですか?

出田日立製作所 九州支社が30年間、事業を営んできた日立九州ビルから「ONE FUKUOKA BLDG.」へ2025年5月に引っ越すことが決まりました。日立九州ビルは自社ビルであり、30年という歴史の中で積み上げてきた膨大な文書が、ビルのいたるところに保管されていました。新しいオフィスは、1フロア1,400坪の賃貸スペースにグループ会社を含めたすべての部署が入居します。フリーアドレスに移行するためキャビネットスペースに限りがあり、文書の整理が引っ越しのカギを握っていることは明らかでした。短期間で文書を整理するのは難しいため、引っ越しの2年前から時間をかけて、文書整理プロジェクトに取り組むことにしました。
今回のプロジェクトより前に熊本にある九州中央支店の事務所移転も行ったこともあり、今回その経験を生かすことにしました。

九州中央支店での移転作業ではどのようなことが見えましたか?

出田九州中央支店は小規模ながら文書の保管量が多く、文書整理の必要性を強く感じました。日立ドキュメントソリューションズには文書の仕分け方法を提案してもらい、自分たちで整理までを行うことができました。また、ペーパーレスへの取り組みが進んでいませんでしたが、Microsoft365やSharePoint(※)などのITツールが整備されたことにより、同支店のメンバー独自で業務改善を進められ、九州支社の移転に向けた知見を得られました。

九州支社が入居する福岡・天神の大型複合ビル
「ONE FUKUOKA BLDG.」

九州支社の文書にはどのような課題がありましたか?

豊島机の引き出しやキャビネットの中など固定席の周辺だけでなく、自社ビルだったこともあり保管場所が潤沢で、結果的に文書が廃棄されずに蓄積されていました。地下に可動式のキャビネットを設置している保管庫があるのですが、日立の長い歴史の中で事業の再編などがあり、“業務としては移管したものの文書はそのまま”というケースもあり、どの部署の所有物か分からない文書も多く存在しました。本当に移転までに整理できるのか、途方に暮れていました。

旧社屋の地下保管庫

日立のルールやシステムを理解し、
代わりに対応してくれる点に期待。

今回の文書整理プロジェクトのパートナーに日立ドキュメントソリューションズを選ばれたのは、どうしてですか?

出田同じビルに事務所が入っていたこともあり、複合機などの他業務でも日頃からお付き合いがありました。文書を整理し、ペーパーレス化していくとなると日立のルールやシステムを理解している点が心強く、文書削減を支援した実績もあり、相談しやすかったのが決め手でした。

日立ドキュメントソリューションズにどのようなことを期待しましたか?

豊島私たちは移転の準備と同時に通常業務もあり、手が回らない状況が予想されました。2年後に移転の期日が決まっているプロジェクトなので、長期的なスケジュールを立てて、進捗を管理していただくなどの支援を期待しました。プロジェクトが進行すると職場からの質問にも総務の立場で答えていただいたりするなど、私たちの手が回らないところを代わりに対応していただきました。

ワーキンググループを組織されたそうですね。

櫻井営業経由で引き合いをいただき、2023年8月からプロジェクトを開始しました。ご多忙な事務局の皆さまをバックアップできる体制を構築して、1年2ケ月にわたりプロジェクトを推進していきました。ワーキンググループは各部署から2〜4名ずつ選出して最大で34名の体制となりました。ワーキングメンバーは、部署ごとの文書量に応じて構成し、取りまとめを行う管理職と仕分けを行う実務担当者を選定いただきました。選定にあたっては、総務から九州支社の社内にメッセージを発信し、各部署に選出していただきました。プロジェクトは1年2か月という長期にわたるため、メンバーを入れ替えながら対応していただきました。皆さまへのメッセージがあるときは全員が集まる説明会を開催し、普段の定例は週に一度、我々と事務局の皆さまで進捗と課題を確認しました。

現状調査から始め、長期的な削減計画を立案。

現状調査をしてみた結果はいかがでしたか?

櫻井まず、現状調査から行いました。各フロアのキャビネットを拝見させていただき、文書の分類とそれぞれの量を測っていきました。すると、5cmファイル約27,000冊分、約1,300mもの共有文書があり、これは福岡タワー約6本分の高さに相当します。これだけの文書を保管しているお客さまは目にしたことがなく、量の多さに圧倒されました。新オフィスの文書保管スペースを鑑みると、廃棄前の保有量から83%削減することが目標数値となりました。通常業務をこなしながら、約8割の文書を整理していくのは、かなり大変なのではと思いました。

その目標を聞いてどのような不安がありましたか?

大滝私は途中から九州支社に赴任し、プロジェクトに携わりました。それぞれの部署が自分たちで責任をもって文書を整理する必要がありますが、営業部門などの忙しい職場にきちんと取り組んでもらえるのかが不安でした。

3つのフェーズに分けてプロジェクトを推進されたそうですね。

櫻井文書の大仕分けを実施し、容易に判断できる文書を廃棄するフェーズ1「文書の廃棄」と、文書削減実行の施策を検討するフェーズ2「紙を増やさない施策の検討」、文書の仕分けを実施し、廃棄・電子化・別地保管を実行するフェーズ3「文書削減の実行」の3つの段階に分けて支援していきました。

支援内容

フェーズ1
文書の廃棄

約2か月

  • 顧客のWG向け計画策定
    • 紙削減計画の立案
    • キックオフ資料の作成
    • 全社向け紙文書廃棄ガイドラインの立案・作成
  • 顧客のWGの伴走支援
    • 全社向け廃棄説明会支援
  • 紙文書廃棄実行(1回目)
  • 継続的なPMO支援
    • 削減状況のモニタリングと進捗管理
    • WG定例会の実施
  • フェーズ1
    中間報告会

フェーズ2
紙を増やさない施策の検討

約6か月

  • 紙文書の仕分けガイドライン制作
    (電子化、別地保管)
  • 紙文書廃棄実行(2回目)
  • 継続的なPMO支援
    • 削減状況のモニタリングと進捗管理
    • WG定例会の実施
  • 業務のデジタル化の検討・報告
    • 業務フローの調査
    • デジタルワークフロー検討・提案
  • フェーズ2
    中間報告会

フェーズ3
文書削減の実行

約6か月

  • 移転までの紙文書の
    削減計画立案
  • 紙文書廃棄実行(3回目)
  • 紙文書の仕分け実行
    • 紙文書の電子化と別地保管仕分け
  • 継続的なPMO支援
    • 削減状況のモニタリングと進捗管理
    • WG定例会の実施
  • デジタル文書の現状調査、
    全社運用ルールの提案
    • SharePoint内のデジタル文書の
      状況調査
    • あるべき運用ルールの提案
  • フェーズ3
    最終報告会(クロージング)

どのようなルールで仕分けしていきましたか?

櫻井廃棄・電子化・別地保管・執務室の仕分けシールを用意して、文書にシールを貼っていただきました。地下の保管庫は文書でいっぱいだっため、空きフロアを仕分け場所、廃棄場所に設定し、作業を進行。廃棄の際には文書の背表紙の厚みを測り、進捗管理シートに記録していただきました。

文書仕分けの考え方
01準備全体の把握
既存文書
02大仕分け必要/不要
必要
不要
03中仕分け法律・利用頻度の確認
法律や利用頻度別
に仕分け
不要
04仕分け仕分けの明確化
1
執務室保管(必要最小限)
2
電子化
3
別地保管
4
廃棄(リサイクル)
Point
文書の仕分けは要・不要や利用頻度に応じて、ファイル単位に4種類に仕分けします。

仕分けはルール通りにいきましたか?

櫻井仕分けのガイドライン、廃棄のガイドライン、各種ガイドラインを九州支社様向けに作成して、社員の皆さまに向けた説明会も開催しました。ただ部署の業務によって仕事のスタイルも文書の性質も異なりますから、最終的には各職場で判断していただく形としました。中にはほとんど文書を持たない部署も出てきました。

※Microsoft365、SharePoint、Excelは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。

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